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創作のこととかかいていっちゃうよ( ^ω^)
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2013/05/25 (Sat)                  散歩少女

小さな田舎町のとある学校のとある学年にここ最近流れる噂。

夜、学校付近で犬を連れて散歩する少女・・・。
彼女を見た者は2日間眠りにつくか、幸せになる。
ただし、実際彼女を見た者の8割方は眠りについたのだった。

「なぁ、“散歩少女”知ってるか?」と、友人である漣が話しかける。
この学校に編入して1ヶ月。
この噂を聞かない日はなかったぐらいだ。
「いいや」と短い言葉で返すと、漣が小声で
「実は内緒なんだが、女子の間で何か問題があったみたいでさ・・・その女子1人が事故死したっていう」
「は?」漣の言ってることはいまいちよくわからなかった。
「クラスメイトですら葬式、通夜を行く事を制限されて・・・さ。しかもそいつ・・・犬の散歩が日課だったっていう噂も」

つまりは・・・
その事故死した少女が、その噂の散歩少女と言いたいのだろう。

「俺はクラスも違ったしタイプも違ったから全然知らなかったんだけどさ」
「で、いったい何が言いたいわけ?」
うじうじとする漣にきっぱりと突きつけた。多分・・・言うのは・・・

「今日、散歩少女に会いに行かないか?」
「だろうと思った」
はぁ、とため息をつく。だけども少女の事を知ってみたいと思ったのは確かだった。

「じゃあ今日の7時!!」
と言い、今日は学校を帰った。
家に着き、パソコンを開き調べた先は少女の事だった。
名前は知らなくても学校名を打てばなんらかの噂がでてくるだろう。

「まさ・・・か、な」
画面に映るのは、少女の死体。
明らかに事故死とは思えない。






「おっせーぞ。瑞希」
「まぁ、な・・・ちょっと調べもんをな」
7時には間に合わなかった。

そして、学校付近。
あたりは街頭もないせいか暗い。

「ひぇー、こわ・・・」
自分たちの足音しか聞こえなかった。

ぺたり、ぺたり・・・
ぺたり、かたかた・・・
かたかた・・・かたかた・・・

「おおおおおいいいいい!!みずきぃぃいいい!!」
「落ち着けって」
少女がいたのだ。まだ肌寒いとはいえ、厚着をする少女。
そして、リードで繋がれた可愛らしい中型犬。

―ニコり。

彼女はこちらを見ると少し微笑んだ。
ふつうの少女と何も変わりはなかった。
本当に【散歩少女】なのか。

「なぁ漣、本当にあの子は・・・「ごめん、俺・・・明日から眠りにつくわ」
ふらりと帰った漣。



その日の夜。
どうしても寝れなかった。
寝よう、寝ようと布団に潜り込み目を瞑るが中々寝付けない。
それよりあの少女が気になった。

どうして笑いかけたのか。

『あなた・・・何者?』
真っ白な世界。
そこにいる先ほどの少女。微笑みかけた顔とは全く別。
ひどく睨みつける。

「君こそ誰なんだ?」
『答える義理なんてないわ』

スパリ、その擬音語が正しい。
彼女をとりまく風はひどく冷たい。

『でも、あなたは何も知らない。
幸せになって・・・ね?』

風は急に冷たくはなくなった。
先ほどの冷ややかな目はなくなり、穏やかな彼女の顔が。

「聞いてほしいんだ」
『まだ残るつもり?』
「お願い・・・」
『はあ、いいわ』

彼女と少し話した。
彼女の名前は瑞貴といった。
俺と同じ名前で、一文字漢字が違うだけ。

俺が編入する1ヶ月前、彼女は命を絶つことになってしまった。
表沙汰では事故死。
ではない、完全なる他殺。

『私はね、別に死んだ事を恨んでるわけじゃない。
あいつらが罪の意識を持つことなく今でものうのうと生きてるのが憎い。
だから私に会ったやつは2日間眠る・・・そして、悪夢を見ている。

私が経験してきた・・・ね』

彼女は決してひどい子ではない。
ただ、していることはひどいかもしれない、だけれども
話を聞くと今のクラスメイトの自業自得なのかもしれない。

「俺にも悪夢を見させるのかい?」
すると彼女はぶんぶんと首を横に振った。
『するわけないじゃない。あなたは何も関係ないのよ。
もちろん君の友達も・・・』

は、と目が覚めた。
家のベッドだった。どうやって戻ってきたのか記憶がない。
机に座り彼女の言っていた事を整理した。
1つ、彼女は事故死ではなく他殺。クラスメイトによる犯行。
2つ、彼女はいじめを受けていた
3つ、         だという事。

だった。
だがしかし、彼女を止めることはできないだろう。
どうすれば・・・どうすれば・・・。
彼女を天国へと導けるのだろうか。

「あ、もう・・・」時計をみるといつもの登校時間だ。
急いで学生服に袖を通し、家を出た。
すごくげんなりした表情の漣。
「おはよう、大丈夫か?」
「俺・・・悪夢・・・見なかった。今日もちゃんと起きてる」
「昨日、その散歩少女と話したんだが・・・」


漣は信じる気なんてないだろう。
だが、話してみる。お互い、この事件については無関係だということ。
すると漣は静かに「そうか」と呟くと少し納得したような感じだった。

「俺の友達に眠りについた奴いるんだ。もしかしたら何かわかるかもしれない」
「でもよ・・・嫌なんじゃないか・・・?」
「しかたねぇだろ・・・」

あー、と頭ががしがしとかく。
漣は何か行き場のない怒りをぶつけるような感じだった。

「あのさ、俺・・・実はあの子見たことあるんだ」
「瑞貴ちゃんのこと?」
「ああ・・・実は・・・な」

漣も知っていた。実は瑞貴ちゃんはいじめられていて殺されたことを。

「俺、瑞貴ちゃんのこと見てたんだよなー。
すっげー明るいってわけでも暗いってわけでもなかったし
気づいたら目を追っていた。だけどな、俺は告ろうとかはなかった」

漣の発言に少しいらついてしまった。
「助けなかったのか?」

「言っただろ、女子の間の俺が入ってみろ。
ますます、瑞貴ちゃんいじめられることになるだろ」

漣の発言はもっともだった。
だけど、影で慰める、なんでもできたはずだ。
彼女を助けれたかもしれない。

「眠りについたやつはこう言ってた『生き地獄』だと」
つまりは彼女が体験した“いじめ”の実態だろう。
「でも、瑞貴ちゃんは自殺じゃなくて・・・」






他殺・・・。
だったら、このクラス、いやこの学校に人殺しがいるということだ。

2人の背中にゾッとした冷たい空気が流れた。


そして、彼らは眠りについた1人の男に話を聞いた。
「あぁ、散歩少女か?あれは、確かにあいつだろうなぁ」
「夢はどうだったんだ?」
「生き地獄だよ、あんなのされてたらそりゃ・・・死にたくもなるわな」

コトンとマグカップを置くと男はこう言った。
「だけど間違いなく他殺だ。“あいつら”は遊びのつもりだったらしいんだが
間違いなくあれは死ぬ」
夢で体験したから言える事。
ただ、体験したからには何かしらこの事件について関係があるということだ。

「俺・・・その、散歩少女と話したんです。
夢を見る者は関係がある、って」

男は黙った。そして、少しして口を開いた。

「そうか・・・やっぱりな」
「どういうことですか?」
漣が尋ねると考えるように、口をごもらせて
「俺、あいつのいじめられてるところ見たことあるんだよ」






続く。

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2013/01/24 (Thu)                  電波 彼女
昨日にツイッターで
小説のネタ募集したところ
お友達のなたちゃんから

『電波』『彼女』という
全く書いた事のない電波系少女の話を書きました。

そして、何故か書いていたら

百合
という・・・どうしてなのか(´・ω・`)



さてさて、では続きから行きましょうかね。

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